自作PC / Ryzen 5000シリーズ編
顛末
毎回のように「自助」するも、結果として店員さんのサポートを借りてしまう。
今回も同様だったが、間抜けな失敗も含めてそのまま書く。
きっかけ
先週金曜(2020/11/6)「Ryzen 5000」 シリーズが発売された。
前回の自作からすでに6年以上が経過しており、そろそろ全面的に再構成したい自分の背中を押すには十分だった。
購入
発売から一夜明けた土曜日の夕方、ヨドバシカメラ秋葉原店はすべて完売しており、ツクモ本店は Ryzen 9(5900X / 5950X)のみ完売していた。
次点は Ryzen 7とRyzen 5のみだったが、もともと考えていた7を購入した。
7は9と同様に定格105Wだが、先述のレビューでは実行時の消費電力にはわずかながら違いがあるようだった。
ハイエンドを狙いながらも、普段使いという両立を考えて7にした。
差分
新旧の差分を書いてみた。
- | 旧 | 新 |
---|---|---|
CPU | Core™ i7-4770 | Ryzen™ 7 5800X |
CPU空冷ファン | (CPU付属) | Noctua NH-U12A |
メモリ | DDR3 16GB(4 * 4) | DDR4 32GB(16 * 2) |
メモリ(詳細) | DCDDR3-8GB-1333 | CT2K16G4DFS832A |
メモリ(詳細) | W3U1600PS-4G | - |
マザーボード | GA-H97-D3H | ASRock B550 Pro4 |
ストレージ | WD1003FZEX | WD_BLACK SN750 NVMe™ SSD 1TB |
GPU | STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5 | (同一) |
※ 電源ユニット/ケース/DVDドライブは除外した
旧のマザーボードは2年前ほど前に壊れ、ドスパラで H97-PLUS の中古品に変えた。
普段使いなら旧でも支障はないのだが、強いていえば下記の懸念があった。
- 単純にHDDなのでファイルアクセスが遅い
- 旧規格(メモリ:DDR3)は主流ではない
- 次回マザーボードが壊れたとき、中古はあるだろうか
そんな訳で、一度ごっそり乗り換えたい欲があった。
組み立て
筐体の中。
このグラボの位置を見て、「あれ?」と思う人はきっといるだろう。
私は「前もこの辺だったし大丈夫!」くらいの気持ちだった。この時は。
動かない
最初に起動してから10秒くらい経っても、何も画面に表示されない。正常起動のビープ音も出ない。
途中でメモリの刺さり具合が悪いことに気づいて直すも、やはり10秒くらいしても反応がない。
このマザーボードには、「ポストステータスチェッカー」が付いており、CPUとDRAMのランプが赤い。つまり、異常であると解釈できる。
終盤、少し待つと途中で赤くなくなったが、 下の「GPU」と「BOOT」が次々に赤くなり消える。
画面には何も出ない。お手上げである。
素晴らしいサポート
仕方なくツクモに持ち込む。
事情を話したところ、先方の検証環境につないでもらう。
そして、起動開始10秒くらいで動いた。
何度やっても動く。
私は何が何だか分からないと思い、そこで次のことを知るのであった。
- このマザーボードはビープ音のブザーがないので音は鳴らない
- このマザーボードのポストステータスチェッカーの「CPU」「DRAM」は、正常であっても起動直後(だいたい10秒くらい)は赤いままである
- グラフィックボードの刺し位置が間違っている
- Ryzen 3000シリーズ以降、初回起動は20-40秒程度かかる
4はCMOSクリアした後に何度も再現したので、デフォルトの挙動であるらしかった。これのおかげで無反応扱いして、起動途中で何度も電源OFFしていた。
3はCPU寄りの銀色のPCIスロットに刺すべきだった。ここが x16 でグラフィックボードの刺し位置である。自分が刺していたのは x4 のほうだった。
(AGPとPCI-Express パソコン初心者講座 の「PCI-Express」)
つまり、4のおかげで何度も再起動させており、たまたま待ちつづけ起動が終わっても3のせいで画面には何も映らない。1の先入観と2の解釈違いでこれを取り付け異常だと錯覚しつづける。
非常に間抜けである。
取り付けられない
サポートによりようやく問題解決したので、次にCPUの空冷ファンを取り付けるも問題が発生する。
どうやっても下記の手順ができないのである。
(引用: manual)
このねじの取り付けが何度やってもできない。
台座の金具を押し付けるように、上から左右2つのねじを取り付けるだけである。
ところが、片方を締めたところで、もう片方が浮いて締め付けられない。バネが非常に硬く、なかなか届かない。
片方を締めれば片方が浮いて締まらない。そんなCPUを支点にしたシーソーゲームを1時間以上も続けた。
取り付けられた
途中で気づく。マニュアルから離れよう。
(引用: manual)
手前の手順では「Gently tighten the screws until they stop」とあったので、台座部分をしっかりとネジで止めていた。
これを取りやめ、台座の金具を上下にカタカタできる程度に緩める。
それから先ほどの手順に戻って、ねじがひっかかった後に、台座部分をしっかり締める。
こうして手順の4と5を組み合わせることで、しっかりと取り付けることができた。
製作元がここまで取り付け難易度を高めた理由は分からない。
結果
このようになった。
Ryzen 7 5800X がしっかり動いてくれている。
結果
確かに快適になった。
なったが、全体的にオーバースペックである。
直接的な恩恵はSSDの換装くらいで、CPU/メモリ/CPU空冷ファンの最大スペックを使用する作業はない。
時代とともに必要なスペックは変わってきたので、いつかは活かせるものと信じたい。
付録
うまくいかないときは昔を思い出す。
旧マザーボードの H97-D3H だが、これは初期不良で3回返品している。
原因は私のミスで、マザーボードを筐体に固定するためのネジ受けの位置を誤っていたからだ。
マザーボードのネジ穴に対応する形で、筐体側のネジ受けを配置しなければならない。
ところが余計にネジ受けを増やしており、本来ネジ穴がないマザーボードの裏側にまでネジ受けを置いていた。
このネジ受けが鉄製なので、マザーボードの配線に当たってショートし、BIOS起動まで至らず壊れていた。
つまり、GIGABYTE(マザーボードの製造元)は何も悪くないのである。
それなのに3回も取り換えてくれたので私は頭が上がらない。
では、なぜ今回GIGABYTEではなくASRockなのか。
それはRyzen 5000シリーズ向けにBIOSアップデートされたマザーボードが店頭になかったからだ。
大変悲しいことだが、次はGIGABYTEにしたい。