オールドレンズ分解編[Jupiter-9 85mm F2 後期型MCなし]
序
最近、某オークションサイトでレンズを購入したが、レンズの絞り羽調整駆動ダイヤルが非常に固かった。
それだけでなく、何回か絞るとレンズ内部で絞り羽根が外れていくのを確認した。
やむを得ず、人生は分解編に突入した。
奥出雲の湖
ダム湖
天候や時刻は湖面を変える
ダムの周囲
空気は澄んでおり、しばしば夜を待たずに月が見える
ここからは少しだけ歴史に触れる
付近の道の駅のそばには侘しい道がある
往時を偲ぶことさえ難しい竹林に神社跡があった
ダムが民家を沈めることは理解できていたが、その周辺にまでは想像が及ばなかった
信仰というものは、たとえ神社そのものが沈まなくとも、住民がいなければ成り立たないのだろう
終
ダム湖を撮っていたとき、とある男性に話しかけられた
彼はクレスト放流に向けて、ボートで湖上のごみ掃除をしていたらしい
クレスト放流を美しくしてくれた立役者はこうも話してくれた
「納得できるダムの写真が撮れない」
確かに難しい
つい自問してしまう言葉だが、今はただ旅の記録として気軽に公開したい
余
近所に生えてほしい
[暦算] "zakuro" の所信
序
私はこのライブラリの作成者である。
github.com
一瞥して分かる通り、誰が使うのか分からない雰囲気に満ちている。
現状は2年かけて土台を整備し続けており、現状でも使えなくはないが、さらなる改良とドキュメント整備を必要としている。
展望
方向性
日本史研究に使用できるライブラリにしたい。現状、信頼できるサイトは下記の通りである。
私の見るところ、他のサイトの旧暦情報については、その計算結果を第三者的に検証しづらい。
目指すのは 1 のような実用性があり、2のように計算結果を第三者的に公開できている状態である。
さらに、この暦算自体がコードとして公開されているOSSにしたい。私ひとりが抱えこむことに何の意味もないからだ。
背景
西暦と和暦の変換なら上記サイトで問題ないが、それ以上のことを行いたい場合、暦算それ自体に意味が生じてくる。
例えば現代人に馴染みがある響きの「土用」(季節の変わり目)は計算値であり暦算を要する。
他にも計算を要する概念はある。
- 没日(一日としてカウントしない日)
- 滅日(縁起の悪い日)
- 七曜(いわゆる曜日だが現代とは決め方が異なる)
これらは全て計算方法が分かっている。
問題はその計算結果がなかなか見当たらないことだ。見当たらないだけならまだしも、引用元によっては誤った記述さえある。
もちろん、計算結果がそのまま当時の頒暦(実際に市中に配られた暦)そのままとは限らない。当時の担当者が計算ミスをすることでズレる可能性もある。それでも計算結果がないよりはあったほうが良いだろう。
経緯
あまり興味は持たれないだろうが、これまでのことを書いておきたい。
きっかけ
2年前以上も前のこと、新元号「令和」の発表日だった。
会社の同僚がとある言語の元号ライブラリに「令和」が迅速に追加されたことを語っていた。それを横目に見ていた私はうっかり口を滑らせた。
「明治はじまりなんだ」(=「明治よりも前の元号はないんだ」)
同僚は「それなら〇〇(私)さんがやれば良いんじゃないですか」と返し、私は「太陰太陽暦なんか面倒ですよ」と流した。
そう、大変面倒なのだ。それはつまり、心を砕く甲斐があるようにも思えた。
出会い
わずかな興味があった私は調べるうちに、『日本暦日原典』の確かさを知った。
問題はどの図書館でも「禁帯出」(持ち出し禁止)扱いで、そうそう長くは閲覧できないことだった。
神保町の古書店を歩き回ること8軒目、ふと平積みの上にビニール紐で束になった本の塊を見た。
あまりにも無造作に『日本暦日原典』が挟まっており、店主に掛け合うと「仕入れたばかり」「特別に7500円で良いよ」と即決だった。
私は確かに喜んだのかもしれないが、それ以上にここで手に入れた意味を考えてしまった。本が私の資質を問うているように思えた。
元号
『日本暦日原典』は元号を年単位で表記していた。
「令和」が5月1日から施行したように、本来は年月日で改元される。実用性を重んじるなら改元日が必要であり、『日本史年表』が必要であった。
このことは私ひとりでは気づけなかった。ことさらに個人を挙げるつもりはないが、ご指摘いただいた方には深く感謝したい。
定数
『日本暦日原典』は主として計算方法が書かれている。
問題は計算に用いる定数値を網羅している訳ではないことだ。
特に元嘉暦/儀鳳暦/大衍暦は欠落が見られ、正しい値を知る必要がある。
『歴代天文律暦等志彙編』は繁体字でこれらを記載しており、計算時の大きな助けとなる。
結語
zakuro は今後も拡張し、より実用性の高いライブラリにしていきたい。
ライセンスをMITライセンス(無償頒布)にしている通り、何か金銭の見返りを求めてのことではない。
真に有用なものはどんな時代でも裏切らない。
先人の事業に敬意を表しつつ、そういうものを一つは残してみたいと考えている。
漫画と「急急如律令」
「急急如律令」とは?
こちらの頁を観ていただきたい。
人によっては聞き覚えのある言葉かもしれない。
「大漢和辭典」*1 では次の説明がある。
〖急急如律令〗
はやく律令のごとくせよといふこと。もと、漢代の公文書の用語であるが、後に巫者の咒語となり、速に退散せよの義に用ひられる。
p.1004
何やら含蓄のありそうな語彙である。
最近読んだ「〈術数文化〉という用語の可能性について」 *2 では興味深い記述がある。
本文自体が面白いため、少々長いが引用する。この記事の趣旨だけ知りたい方は一旦読み飛ばしていただいても構わない。
文化は、発生地とそれが伝わる周縁地では往々にしてズレが生じ、新たな側面を生み出すことが多い。そのことを、以前筆者が検討した呪符を題材に述べていこう。(13)
日本では古くから呪符が作成され、古代のそれは多く木簡として残されている。呪符そのものは中国に端を発し、半島を経由し日本に伝来してきたのだが、(14)日本の呪符木簡には、中国や半島などではほとんど見られないある特徴がある。それは「急々如律令」の語句である。この呪符(如律令)は後漢時にはすでに見られるが、(15)符図(符籙)とセットで呪符の中に見られるものはない。しかし、日本では八世紀後半から九世紀にかけての時期に、符図と「急々如律令」の語句が記される日本独自の形式が一般化し、以後もこの形式が踏襲されていくのである。
この特徴は古代のみならず中世以降で、新たに中国から伝来した呪符についても展開される。室町末期に吉田兼倶(一四三五~一五一一)によって打ち立てられた吉田神道には、重要なシンボルとして符印(『神祇道霊符印』)がある。吉田神道の符印は兼倶みずから制定したものであり、後世にまで強い影響力を与えたのだが、これら符印は実は道教経典『北斗本命延生真経註』巻五所載呪符と全く同じものであることが指摘されている。(16)ただし、この時は、符印には「急々如律令」が付されているのである。『神祇道霊符印』では見られなかった「急々如律令」が、本史料では見られるようになっており、ここに、新たに入ってきた中国直輸入の道蔵的呪符と日本的呪符との融合関係が確認できる。つまり、周辺地域における文化の新たな展開を認めることができるのである。
p.12
要は日本で流行した語彙なのだ。
中世以降に至っては、中国で廃れた(?)はずのこの言葉をあえて採用しているほどだ。
冒頭に挙げた安倍晴明の時代は「八世紀後半から九世紀にかけての時期」以降となる。程度は分からないが、「急急如律令」は広く知られていたのだろう。
こうなるといくつか気になってくる。中国ではどうなのか。
中国の「急急如律令」
中国では古代限りの一過性のブームだったのだろうか。
例えば次の頁を見ていただきたい。
『ネクログ』にはそもそも「急急如律令」がない。全巻(4巻)通して一度も確認できなかった。
加えて、高位の道士であればそもそも詠唱すらしない。
年代や舞台はボカされているが、「清朝末期よりは民国初期の感じ」(2巻あとがき)らしい。
『ネクログ』ほど考証豊かな作品においても、「急急如律令」が出ないのは自然に見える。
もう一つ、中国を舞台にした漫画がある。
清朝末期、上海でのキョンシー退治が描かれている。
気になるのは「喼急如律令」の「喼」ではなかろうか。こちらは日本語ではなく中国語である。
「中国語大辞典」*3 には「喼」(jí)自体の説明はないので、前の「急」(jí)と同義と考えられる。
代わりに語彙のみ記載されており、一例としては下記のようなものである。
[喼紙] jízhǐ [名] 方 かんしゃく玉; 広
p.1426
これに限らず全ての語彙は「方言」「広東語」で占められている。おそらく中国において標準語ではないだろう。
『「喼急如律令」考』 *4 では、次のような考察が展開されている。
- 中世以降の日本で「喼急如律令」が多く見つかる(古代には見られない)
- 沖縄の呪符には日本伝来の「喼急如律令」が多く含まれる
- 「喼急如律令」自体が日本で考案されたとは考えづらい(朝鮮の呪句から大陸発祥かもしれない)
発祥は明らかではないが、仮に広東語の「喼」から中国南方としよう。
漫画のように上海で使われたとしても不自然ではない。かなり微妙なところを突いているように思える。
そもそも「律令」とは?
「律令」が鬼であるとする説明がある。
「大漢和辭典」
〖如律令〗 リツレイノゴトシ 詔書檄文、或は符呪の末尾に用ひる語。法律命令の違背すべからざる義。又、律令は雷邊に居る捷鬼で、其の疾速を要する義から用ひる。
p. 829
「中国語大辞典」
[急急] jíjí 〔形〕(非常に)急ぐさま,焦るさま,慌てるさま
[〜如律令] 〔成〕 至急に命令に従うこと; もと漢代の公文用語。後に道士が呪文の終わりに用いた.速やかに去れの意; '律令'は足の速い鬼神の名とされる。
p.1423
日本人である私としては奇妙に映る。「大宝律令」のように「律令」は政治用語で、それが鬼に由来するとは考えがたい。
『冥界の道敎的神格 : 「急急如律令」をめぐって』 *5 ではこの説に対する懐疑論も引用されている。
南宋の王琳『野客叢書』巻十二でも、李匡父の説を取り上げて、「雷邊捷鬼の説は近世の雑書に出ているが、西漢にはそのような説は聞いたことがなく、漢人が如律令という場合は、律令の如く速く施行せよというのであって、いわゆる捷鬼なるものを知っているはずがない、この語は巫史に近く不経なること甚だしい」と反駁している。
p.76
「律令を迅速に施行せよ」→「敏捷な鬼に例える」→「鬼が起源であった(後付け)」と歴史修正された話に見える。
ただ、面白いのは言葉の取りようで印象がだいぶ変わることだ。「急急如律令」=「捷鬼のように急げ」であれば呪言らしい。
格式ばった「律令」の違和感が氷解したように思える。
型から入るは続かないon離島キャンプ記
タッパーである
何の変哲もないただのタッパーだが、私にとっては功績あるタッパーである
私はこの1年半以上、このタッパーをお弁当箱にしていた
とはいえ、中に何を詰めるかはその人次第であり、人によってそのグレードは様々であろう
初期の私は炊いた白米を突っこんでいた
問題はサラダや付け合わせだが、それらは出先近くのコンビニで買っていた
単純に外食よりお金をかけないための食べ方だと思っていたが、このコロナで感染しない/させないための食べ方になった
今の私は副菜もレンチンして添えるようになった
このタッパーは私に弁当持参の習慣を与えたのだ
キャンプ
ところでこのような生活感漂う冒頭には理由がある
キャンプの話をしたかったのだ
月撮影 - 天体望遠鏡(AZ-GTi) to コンデジ(P1000)
主
下記4つを前提とする。
天体望遠鏡
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- 発売日: 2020/05/28
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一眼レフカメラ
Nikon デジタル一眼レフカメラ D7500 ボディ ブラック
- 発売日: 2017/06/09
- メディア: エレクトロニクス
TAMRON 高倍率ズームレンズ 18-270mm F3.5-6.3 DiII VC PZD ニコン用 APS-C専用 B008N
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: エレクトロニクス
コンパクトデジタルカメラ
Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000 ブラック クールピクス P1000BK
- 発売日: 2018/09/14
- メディア: Camera
[Case.02] 天体望遠鏡(AZ-GTi) + 一眼レフカメラ
評
私のような素人には敷居が高かったが、焦点さえあえば何とかなる。
お世辞にも使いやすいとは言えない。
組み合わせ結果
撮影
使用感
Tマウントの接続部が甘い。別に外れきるほどではないが、カメラのグリップの自重で回ってしまう。
組み合わせ結果で常に右手を添えているのはそういう次第で、天体望遠鏡の鏡筒とTマウントがうまくかみ合っていないように思える。
なお、直焦点撮影になるため、マニュアルで撮影することになる。鏡筒の側でも焦点を合わせた。
[Case.03] 一眼レフカメラ + 三脚(微動雲台)
評
失敗した。
アイテム
カメラと三脚との接続、および方位/高度の微調整に使う。
Vixen 天体望遠鏡/フィールドスコープ/撮影用アクセサリー 三脚アダプター 微動雲台 3562-01
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ETSUMI 変換止めネジS 3/8インチ→1/4インチ E-6750
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: Camera
三脚部のネジは3/8インチなので、雲台の1/4インチに変換する必要があった。
組み合わせ結果
撮影
-
使用感
できない。当たり前の話だが、月は地平線ぎりぎりよりも、高く上がることのほうが多い。
微動雲台は仰角が10度程度しか調整できない。
失敗の分析
買い方・使い方の失敗を含め、やったことをそのままにまとめた。
自分の知識不足・注意不足は脇に置いて、一人の素人として失敗しやすい原因は主に2つある。
用語の説明が見つからない
例えば「微動雲台」「微動雲台とは」でググってほしい。
当たり前のように商品ページ/紹介しか出てこない。商品ページでだいたい仰角が±10度という通念を察する必要がある。
低価格なパーツへの言及が少ない
メーカーや個人の雲台の紹介を見ても、いきなり高価格なものが推奨されやすいように思う。
低価格での使用感はそれぞれのパーツのレビュー頼みで、今回のようにやりたいことを限定すると情報も絞られてしまう。
コロナ禍で直接商品に触れられない
店頭購入を自粛しているため、イメージを掴みづらい。
まとめ
今のところは Case.05 で間に合っている。
もし天体望遠鏡の三脚がなければ、素直に雲台付きの三脚を買ったほうが安くついたかもしれない。
なお、今回は月撮影のため、惑星/星の撮影のような赤道儀は選択しなかった。
付記
撮影とは関係ないが、天体望遠鏡(AZ-GTi)の電力事情にも触れる。
自動追尾機能のためには一度に単三電池8本を消化する。個人的には外部電源が良いのだが、電源ケーブルは別売で純正品はない。
マニュアルには「外部電源の供給要件」として下記の記載がある。
・入力電圧:DC 7.5V(最小)~DC 14V(最大)
上記範囲外の電圧の場合、AZ-GTi経緯台の内部基板、内臓モーター、ハンドコントローラーが損傷する可能性があります。絶対に入力電圧範囲内でお使いください。
・入力電流:0.75A
・入力端子:内径ϕ2.0mm、外径ϕ5.5mm、極性 センタープラス
・上記電源仕様(入力電圧、入力電流)に適さない AC-DC コンバーターは、絶対に使用しないでください。ACアダプターを使用する場合は、DC12V定格、0.75A以上のスイッチング電源をお使いください。
・入力電圧が高すぎる場合、自動的にモーターが停止します。場合によっては破損しますのでご注意ください。
*1
今のところ下記ACアダプターの12V設定で正常に動作している。
私はメーカーではなく何ら不具合・故障の責任を負うつもりはないが、ググっても先行事例がなかったためここに記載する。