来自北東、昴宿星団

北東より来たれ、プレアデス

月撮影 - 天体望遠鏡(AZ-GTi) to コンデジ(P1000)

簡単に月撮影をするための試行錯誤を流す。最終的には Nikon COOLPIX P1000 に移行した。

[Case.01] 天体望遠鏡(AZ-GTi) + スマホ

撮影には一癖あったが、慣れれば十分に感じた。

組み合わせ結果

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接眼レンズ(アイピース)を挟む
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接眼レンズ(アイピース)を挟む(正面)

撮影

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2021/01/04 23:12:22

使用感

アイピーススマホカメラの適切な位置関係を掴むのにコツがいる。
人間がアイピースをのぞきこむような感覚で、スマホカメラをアイピースにのぞかせる形になるが、ぴったりくっつけると何も見えない。
焦点が合うように少し浮かせて設置した。

[Case.02] 天体望遠鏡(AZ-GTi) + 一眼レフカメラ

私のような素人には敷居が高かったが、焦点さえあえば何とかなる。
お世辞にも使いやすいとは言えない。

アイテム

天体望遠鏡とカメラの接続に用いる。

Kenko Tマウントアダプター N.A P=0.75 ニコン用 TMNA

Kenko Tマウントアダプター N.A P=0.75 ニコン用 TMNA

  • 発売日: 2002/02/23
  • メディア: エレクトロニクス

組み合わせ結果

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Tマウントで接続する
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Tマウントで接続する(液晶モニター

撮影

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月(液晶モニター
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2021/01/22 18:52

使用感

Tマウントの接続部が甘い。別に外れきるほどではないが、カメラのグリップの自重で回ってしまう。
組み合わせ結果で常に右手を添えているのはそういう次第で、天体望遠鏡の鏡筒とTマウントがうまくかみ合っていないように思える。
なお、直焦点撮影になるため、マニュアルで撮影することになる。鏡筒の側でも焦点を合わせた。

[Case.03] 一眼レフカメラ + 三脚(微動雲台)

失敗した。

アイテム

カメラと三脚との接続、および方位/高度の微調整に使う。

ETSUMI 変換止めネジS 3/8インチ→1/4インチ E-6750

ETSUMI 変換止めネジS 3/8インチ→1/4インチ E-6750

  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: Camera

三脚部のネジは3/8インチなので、雲台の1/4インチに変換する必要があった。

組み合わせ結果

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微動雲台(三脚取り付け前)
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微動雲台(取り付け後)

撮影

-

使用感

できない。当たり前の話だが、月は地平線ぎりぎりよりも、高く上がることのほうが多い。
微動雲台は仰角が10度程度しか調整できない。

[Case.04] 天体望遠鏡 + 微動雲台 + コンデジ

完全に失敗した。

アイテム

微動雲台に加え、経緯台との接続のためプレートを使用した。

組み合わせ結果

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経緯台 + 微動雲台 + コンデジ

撮影

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月(液晶モニター
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2021/01/31 22:03

使用感

倒れたヤシの木を思わせる非金属的なストロークからもお察しの通り使いづらい。
しなる。画角が合わない。
原因はプレートの形状からもわかるように、アリガタプレートではなく、カメラプレートなので全くかみ合っていないことだ。完全な規格違いである。
さらに経緯台や三脚も耐えきれずたわむ。
加えて、経緯台が過重負担でうまく回らない。一度カメラを持ちあげ、高度を合わせてあげる必要がある。
これらは組み合わせから微動雲台を外せば軽減すると思うが、それすらためらったのは、そもそもカメラを横倒しした撮影がしっくりこなかったからだ。

[Case.05] コンデジ + 三脚(微動雲台 + 自由雲台)

現状ではこれが使いやすいが、最良かは分からない。

アイテム

微動雲台と変換ネジに加え、自由雲台も用意した。

組み合わせ結果

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コンデジ + 微動雲台 + 自由雲台
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微動雲台 + 自由雲台

上からコンデジ、微動雲台、自由雲台、変換ネジ、三脚となった。

撮影

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月(液晶モニター
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2021/02/04 04:03:36

ISO感度を試行錯誤していたうちの一枚なので、液晶モニターのものとは異なる可能性あり

使用感

Case.03 の失敗から自由雲台を組み合わせた。
大まかな画角は自由雲台で合わせ、ズーム後の画角は微動雲台で合わせている。
天体望遠鏡は外した。純粋に月を撮るだけなら コンデジ(P1000) で間に合っている。

失敗の分析

買い方・使い方の失敗を含め、やったことをそのままにまとめた。
自分の知識不足・注意不足は脇に置いて、一人の素人として失敗しやすい原因は主に2つある。

用語の説明が見つからない

例えば「微動雲台」「微動雲台とは」でググってほしい。
当たり前のように商品ページ/紹介しか出てこない。商品ページでだいたい仰角が±10度という通念を察する必要がある。

低価格なパーツへの言及が少ない

メーカーや個人の雲台の紹介を見ても、いきなり高価格なものが推奨されやすいように思う。
低価格での使用感はそれぞれのパーツのレビュー頼みで、今回のようにやりたいことを限定すると情報も絞られてしまう。

コロナ禍で直接商品に触れられない

店頭購入を自粛しているため、イメージを掴みづらい。

まとめ

今のところは Case.05 で間に合っている。
もし天体望遠鏡の三脚がなければ、素直に雲台付きの三脚を買ったほうが安くついたかもしれない。
なお、今回は月撮影のため、惑星/星の撮影のような赤道儀は選択しなかった。

付記

撮影とは関係ないが、天体望遠鏡(AZ-GTi)の電力事情にも触れる。
自動追尾機能のためには一度に単三電池8本を消化する。個人的には外部電源が良いのだが、電源ケーブルは別売で純正品はない。
マニュアルには「外部電源の供給要件」として下記の記載がある。

・入力電圧:DC 7.5V(最小)~DC 14V(最大)
 上記範囲外の電圧の場合、AZ-GTi経緯台の内部基板、内臓モーター、ハンドコントローラーが損傷する可能性があります。絶対に入力電圧範囲内でお使いください。
・入力電流:0.75A
・入力端子:内径ϕ2.0mm、外径ϕ5.5mm、極性 センタープラス
・上記電源仕様(入力電圧、入力電流)に適さない AC-DC コンバーターは、絶対に使用しないでください。ACアダプターを使用する場合は、DC12V定格、0.75A以上のスイッチング電源をお使いください。
・入力電圧が高すぎる場合、自動的にモーターが停止します。場合によっては破損しますのでご注意ください。
*1

今のところ下記ACアダプターの12V設定で正常に動作している。

私はメーカーではなく何ら不具合・故障の責任を負うつもりはないが、ググっても先行事例がなかったためここに記載する。

*1:Copyright ©Sky-Watcher 「AZ-GTi 経緯台取扱説明書」p.9